クリエイターの積み重ね

マグロちゃんのこだわりを丁寧に説明いたします。
興味のある方もない方も、ぜひご覧ください。

繰り返し繰り返し気が遠くなるような研究の積み重ね

【拘り続けて完璧を求める思考】
一つのパーツを創りあげるまで、何度も何度も、試作を繰り返し、納得いくまで創り続けました。

これならと思えるものを創り出すには氣が遠くなる積み重ねを繰り返します。
【お寿司くんのコンセプト】
マグロは海中を時速80kmのスピードで寝ずに20年もの間泳ぎ続けることが出来る魚でだそうです。
まぐろの集中力と、前へと突き進むパワーが自分の限界を超え続ける物作りの職人さん達に通じるものあるような気がして、マグロと職人を結びつけたデザインにしました。

【私はお寿司が大好き】
ずっとお寿司モチーフの子を作りたいと思っていました。
お寿司の妖精ちゃんを作るぞと決めた時、タイミング良く板前さんが目の前で握ってくれる機会に恵まれインタビューも出来ました。

【板前さんとの対話】
板前さんがお寿司を握る姿をじっくり観察することができて気付いたことがありました。
板前さんは握る時に、お寿司に触れる時間が最低限に抑えられていました。
お寿司は長く握ってしまうと温まったり、シャリが硬くなり食感が異なったりするそうです。
そこでお寿司に限らず、熟練した職人さんは同じ動きを何回も繰り返し修行して技を極めることで、仕事に無駄な動きが一切無くなるから美しい作品を作ることができるのだと気が付くことができました。

【板前さんとの会話で感じた事】
アニマルアートドールも同じで、ファー生地は触ったり、縫ったあとにひっくり返したりすればするほど、静電気や手汗で傷んでしまい、やり直しすればするほど汚くなります。
メイクや着色も1回失敗すると取り返しがつかなくなるため、毛貼りや身体作りからやり直しになります。
いかに手数を少なく成功するかが、作品の綺麗さに関係します。

綺麗な作品を作れるアートドール職人は、何十とある工程を、全てほぼ一発で成功を収めれるほど技を極めなければいけません。

総合芸術であるアニマルアートドールにおいて”綺麗な”作品を作ることが出来るということは、特に高いハードルです。
作品をお迎え下さる皆様のお陰で技術を向上させ続けることが出来ています。
応援して下さる皆様には本当に感謝の言葉しかございません。
今回の妖精ちゃんは技を極めた職人さんによって作られた美味しいマグロ寿司の妖精ちゃんがテーマです。

【先輩方に恥ずかしくない積み重ね】
私は何十年も修行を重ねた先輩方に比べれば、まだまだ未熟ですが、そんな先輩方の仕事への姿勢をリスペクトし、自分自身もそんな職人さんに近づけるように全ての工程で納得の行くクオリティを一発で成功できるようになるまで何回もやり直し続け、一つ一つのパーツをほぼ一発成功できるようになって初めて完成させるという修行のようなやり方で制作してみました。

【不可能だと思っていたこと】
お陰で不可能だと思い込んでいた壁を何個も超えることができて自分への信頼が増し、より制作が愉しくなりました。
マグロ寿司くんが私に制作を通じて修行させてくれたことで、自分の壁を突破するパワーを与えてくれたのだと感じています。

ファー生地をカットし縫う

【ファー選び】
ファーは海外サイトをはじめ、沢山のサイトを探して劣化の少ない毛並みの良いファーを選んでいます。

【型紙と裁断】
パーツ一つ一つの型紙を丁寧に作成し、裁断していきます。

何よりも、縫い代の毛を刈ることがとても重要です。

縞模様を作成

【ファーの方向】
生地の方向を間違えると、毛並みが揃わずやり直しになります。

【パーツ】
小さなパーツを一つ一つ丁寧につないでいきます。

【裏返す】
裏返すときは、ゆっくり様子を見ながら裏返していきます。

【模様】
模様が複雑になるほどパーツも多くなり手間が掛かります。

ファー生地のパーツを丁寧にカット

【バリカン】
小さなパーツにバリカンを入れるのは大変な作業です。

【縫製】
パーツの縫い合わせは少しのずれも無いようにします。

ファー生地の縫い合わせ

【縫製】
小さなパーツを只管縫い合わせます。

何度もやり直した肉球

【肉球創り】
今回、肉球を納得いくまで創り直ししました。

【ポースを意識した足創り】
お座りポーズをした時に肉球が目立つように足を大きくしてみました!


足の肉球は作ってはボツにしてを繰り返し16回も改良してやっとできた、今回とくに拘りの部位です。
毛のカットなどをせずに布だけで指のの凹凸などを作るのがとても大変でした。

小道具創り

【小道具】
小道具創りは、愉しい作業です。
全体の世界観を感じていただく為の大切な小物たちです。
【小道具】
小道具創りは、愉しい作業です。
全体の世界観を感じていただく為の大切な小物たちです。


【型創り】
粘土で型を創り、シリコンを流して型を創っていきます。


お寿司の型、爪の型、米の翼など

肉球と動かせる指

【拘り続けた肉球】
肉球は50個以上創りました。

【指の可動域】
指の可動域を確認しながら創りこみました。


【肉球の隙間】
ニッチなのですが肉球の間にできる隙間が大好きで、それを再現するのにとても頑張った力作です。


初期の平面的な肉球の時の型紙は8パーツだったのですが、最終的に25パーツという複雑な型紙となりました…

拘った爪と脚の動き

【型抜き】
型から抜いたら、確認し、研磨していきます。

研磨を終えたら、再度レジンで透明感を出します。

【改良した関節の可動域】
足の可動今まで足の可動は付け根が回転するだけでしたが、今回は足首も動かせるようにしました。
それにより足周りの表現が更に増えました。


ねじる動きになるのでこちらも手と同様に布を縫い付けない構造にしているので大きく動かしても縫製を痛めることがありません。

【爪の改良点】
爪は作るのが地味に大変なのに、作ってもあまり目立っていないのが悔しかったので、今回は爪が印象的になるように意識的にデザインしました。

尻尾

【ファーを裁断】
縞々になるように型紙を置き、ファーをカットしていきます。

【ヒレも力作】
ひれもしっかり創っていきます。

【尻尾の完成】
ひれをつけて、全体のバランスを見ます。

これも力作です。
リアル過ぎず、臨場感を出せるように工夫しました。

【全体の型紙を改良】
今回の子は大きく型紙を見直し、足を大きくしたり、大きく透け通る爪など、どのパーツを印象的に魅せるかを考えてデザインし見直しました。


特に座った時に肉球が印象的になるようにデザインしています。

【型紙のパーツ数】
胴体20パーツ
耳5×2=10パーツ
足35×2=70 パーツ
手13×2=26パーツ
尻尾40パーツ
総計166パーツと過去最多。


【パーツが増えた理由】

模様がある

足や肉球の構造に拘った

マグロのヒレを細かく再現

【アートドールに必要な丈夫さ】
アートドールは動かすことを前提に作るので、より丈夫になるよう、全てのパーツに一つ一つ、ほつれ防止に布端に接着剤を塗っています。
また、縫い目のラインを目立ちずらくする為に縫い代の毛をカットしています。
この作業をしないと、ファーの毛が縫い目でかさばって、うっすらと縫い目の線が見えてしまいます。
バリカンで縫い代の毛カットすることで、縫い目が目立たない仕上がりになります

【生命観】
細かいことですが、こういった作り物だと感じさせる要素を少しでも減らすことが生命感を感じさせるポイントだと思っています。

胴体・足指・手指の拘り

【肉球の形態の変更】
今回肉球を繋がっているタイプから、離れているタイプへと作り方を変えました。

実際の動物の足の形を再現することで、デフォルメしながらもリアル感のある肉球にバージョンアップしました。

【粘土を使わない手足】
粘土を使わずに布だけで動物の足を再現するのにとても苦労しました。



特に指の形からなる凹凸を毛のカットなしで型紙だけで作るのに、太ももを除いた足先だけで25個のパーツで構成されています。


長毛ファーは毛をカットして形を作ろうとすると見た目が汚くなってしまうのです。


肉球も1粒づつしずく型に整えながら丁寧に縫い付けていくのが根気がいりました。

【パーツの数】
1番最初に作った試作品は型紙が8パーツだったものが改善を繰り返して今の25パーツの型紙になりました。

【布だけの表現】
布で思い通りの形を作るのはとても大変です。
ぬいぐるみの形は、全体のバランスで成り立っているので、粘土のように1部だけ形を変えるということができないので思い通りの形になる型紙にたどり着くまで何回も作り続けるしかありませんでした。

【納得いくまで】
納得がいくまで肉球の粒を50個以上作りました涙パーツ分けしすぎて足を1つ作るのに丸1日以上かかるので、理想の形になるまでのやり直しは先が見えなくて精神的にもとても大変な作業でした。

【やり直しを続けた結果】
海外から数ヶ月かけて輸入した高級ファー生地を使い切る寸前でしたがギリギリで成功して本当に良かったです。

瞳・ガラスカボション自作

【ガラスアイ】
1番大きな進化は手作りガラスカボションにガラス絵の瞳

【今までのアイ】
今まではレジンを使用しなれば作ることができなかった追視アイ研究の結果、レジンを使用せずにガラスカボションで作ることができました。

【黄変】
数年間、直射日光に当たっても黄変しない品質の高いレジンを使っておりましたが、レジンという特性上どうして数十年たてば、黄変のリスクがあります。

【新しい技法】

宝石研磨の技術を応用し挑戦した結果、既製品のガラスカボションのサイズに囚われる必要が無くなりました。

【サイズに囚われないアイ】
ガラスを採用したことで、どんなサイズの子でも違和感のないガラスの追視アイを作ることが可能になりました。

【納得できない既製品】
今まで既製品のカボションを使うしかなかった時は、作れる子のサイズが制限されたり、どうしても追視が完璧ではなく納得できませんでした。

【ガラスアイの特徴】
レジンを使用していないので白目部分の黄変のリスクはより少ないと状態です。
一般的なアクリル絵の具のガラス絵と同じ耐久性があると予想しています。

【谷現象】
どの角度から見ても不気味の谷現象がおきない瞳を作るには市販のガラスカボションではほぼ不可能だと思います。
とくに切れ長の瞳は光が入りずらいため、目が真っ暗になってしまいます。細い瞳でも光が入るように考えてガラスの塊から瞳の形を削り出しました。

【黄変の回避】
何回も何回もヤスリの番数を変えて、少しの傷も入らないように磨くのはとても集中力が必要でした。
レジンでやればより簡単に出来ますが、レジンは傷つきやすい=曇りやすいのとどんなに良いレジンでも黄変のリスクがある為に、どうしてもガラスアイを使用したいと切望した結果、完成しました。

瞳を手描き

【千早楓るドールの瞳の種類】


ガラスカボション印刷アイ
印刷した瞳にガラスカボションをレジンで貼り付けます。
一番簡単で完璧に綺麗にできます。
レジンは数年直射日光に当て続けても黄変しなかったという検証結果も出ている星の雫レジンを使用しています。


ガラスカボション手描きアイ
手描きした瞳にレジンでガラスカボションを貼り付けます。
手描きアイは手間がかかりますが唯一無二の瞳になります。


ガラス絵アイ
ガラスカボションに裏側から直接絵の具で瞳を描きます紙に描くのとは逆の順番でつるつるのガラスに直接描かなければいけない為より難しいです。

※レジンを使用しない為①②より黄変リスクは少ないと思われます。


手作りカボションガラス絵アイ
こんかいの瞳はこれ現時点で最も手間がかかるアイです。
ドールに最適な形にガラスを加工して、裏側から直接絵の具で瞳を描きます。
鏡面磨きにするには何回もヤスリがけしなくてはなりません。
表面の少しの凹凸で瞳が歪んで見えてしまうので、完璧なドーム型にしなければなりません。

※①②③は既製品のガラスカボションを使用しています。

小道具の作成

【研磨】
すべてのパーツは研磨し、着色していきます。

【手作業】
研磨は完全に手作業です。

【装飾品】

石粉粘土、レジン、アクリル絵の具、絹糸、磁石
【オマケ装飾品】
①ねじりはちまき   ピンで着脱可
②ねじり首飾り
③お寿司セット    磁石で固定できる
・マグロ
・サーモン×2
・たまご
・ほたて
・イカ
・エビ×2
・カッパ巻き
・鉄火巻き
・いなり寿司

・甘エビ
・ウニ
・イクラ
・しめ鯖

計15個
④包丁
⑤解体できるマグロぬいぐるみ
⑥ミニブラシ

完成✨

2025年6月10日のお誕生日のマグロちゃん
【サイズ】
身長(耳まで)約30cm
横幅(足先までの幅)26cm (尾を曲げた時)最小30cm
奥行(足先から尾まで) 53cm (尾を曲げた時)最小30cm
お座りポーズ
縦幅25.5cm
横幅(手までの幅)24cm(尾を曲げた時)約30cm
奥行 (尾を曲げた時)最小25cm

【重さ】
人形本体:977g
付属品
はちまき(醤油さし・まぐろとタマゴの回転すし皿付):47.9g
首飾り(鈴・まぐろのブラシ付):30.8g
マグネット付寿司・寿司下駄:188.1g
お皿と寿司2つ:66.9g
包丁:18.1g
まぐろ:64.6g
合計:1393.4g

【使用素材】
顔:石粉粘土
瞳:手作りガラスカボション、アクリル絵の具
体:海外製フェイクファー生地 3種
ポリエステル綿
トイスケルトン可動(首、腕、指、足首、尾、ヒレ)
ボードジョイント可動(太もも)
皮膜ワイヤー(ヒレの形状保持)
レジン製の爪
装飾品
石粉粘土、レジン、アクリル絵の具、絹糸、磁石

【オマケ装飾品】
①ねじりはちまき
ピンで着脱可
②ねじり首飾り
③お寿司セット
磁石で固定できる
マグロ、サーモン×2、たまご、ほたて、イカ、エビ×2、カッパ巻き、鉄火巻き、いなり寿司
、甘エビ、ウニ、イクラ、しめ鯖
計15個

④包丁
⑤解体できるマグロぬいぐるみ
⑥みにブラシ
【お寿司くんについての余談】
目を入れた日から色々と仕上げをして、
完全に完成したのが6月10日なのです。

マヤ暦では

白い鏡
礼儀、調和、自立心、誠実
白い世界の橋渡し
結びつける、おもてなし、コミュニケーション
音13

集大成、新しいサイクルを生み出す力、没頭、忍耐力

礼儀正しく誠実で忍耐強く
おもてなしの心を持ったお寿司職人ちゃんです。
想像通りの最高にピッタリな日に誕生しました。
本当に奇跡的でびっくりでした。

しっかりした子なのかと思いきや、写真を撮ってみたらヤンチャに感じる瞬間もあり
改めて妖精ちゃんだなと感じました。

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